米ディズニーの人気アトラクション「スプラッシュマウンテン」の設定変更
あまりにショックで書かずにはいられませんでした
「スプラッシュマウンテン」の世界観と、設定となるアニメ「南部の唄」が好きだからです
米ディズニーのスプラッシュマウンテンの設定は、2009年公開の「プリンセスと魔法のキス」に変更されるよう
むむ?意外にあの建物に馴染むかもしれないな。話、脱線するからいいや
当ブログでは
- 「南部の唄」の作品紹介
- 「南部の唄」のアニメが抱える問題
- 東京ディズニーのスプラッシュマウンテンへの影響に対する個人的な見解と提案
こちらを軸に書いていきます
南部の唄ってどんなお話?
ディズニーが、初めて長編実写映画にアニメを合成した作品です
南北戦争が起こる前の黒人奴隷制度時代、アメリカ南部の田舎が舞台の物語です
アトランタから田舎の農場に引っ越してきた白人の少年ジョニー
父親がアトランタに戻ってしまい寂しさを抱えていたが、ジョニーの家で農場で下働きする黒人(奴隷の扱いではない)のリーマスおじさんが話すおとぎ話に夢中になり、寂しさが消えていく
近所の白人の少女ジニーと、黒人の少年トビーも、リーマスおじさんのおとぎ話を聞く仲間に加わっていく
この時、リーマスおじさんが話すおとぎ話こそ、スプラッシュマウンテンの題材になっている「うさぎどんときつねどん」のお話です。
「うさぎどんときつねどん」のシーンはアニメーションになっています
リーマスおじさんと親しくする様子が気に入らないジョニーの母
気に入らない理由は、黒人差別ではなく、息子のジョニーが自分以外の所に夢中になっていく嫉妬からくるようです
そして、ジョニーの誕生会で事件が起こります
ジョニーは自分の誕生会を欠席してしたことで、母にリーマスおじさんにそそのかされたと誤解して、リーマスおじさんを解雇してしまいます
リーマスおじさんが解雇をされたことにショックを受けたジョニーは家を飛び出し、リーマスおじさんを探しに行きます
その時に誤って、血の気の多い牛のいる牧場へ入ってしまい、牛に突き飛ばされ、意識不明の重傷を負ってしまいます
リーマスおじさんはジョニー事を知り戻ってくると、あのときのように「うさぎどんときつねどん」のお話を聞かせました
すると、ジョニーは意識を取り戻しました
母は反省し、リーマスおじさんの解雇は撤回され、最後は子供三人とリーマスおじさんと楽しく夕暮れまで散歩して締めくくられます
どこが問題なの?むしろ、とても心温まるストーリー
もっとテレビで流して、子供たちにも読み聞かせたい!
ヨシコフもそう思っていました
南部の唄が抱える問題
ヨシコフは、南部の唄が抱える問題を、結構前から知っていました
南部の唄が好きで、かつて、もう一回DVDで観たいと思って探したのですが、どこも取り扱っていないのです
当時ネットで調べると、黒人を差別している事で指摘を受けて、上映・販売を長い事停止し続けているとのこと
上記のあらすじを見ても、どこにも黒人を侮辱していません
むしろ、仲良くしていて、理想的なお話だと思っていました
しかし、それがまずかったのです
物語の舞台となる時代では、黒人は奴隷扱い
白人と対等に会話することはあり得ないことで、全米黒人地位向上協会が猛抗議しているのです
ジョニーの母親がリーマスおじさんに怒りますが、それは黒人だからという差別ではなく、嫉妬からくるものです
この物語を観る人たちに、黒人奴隷制度時代の酷い差別なんて無かったかのように捉えてほしくない
これが全米黒人地位向上協会の主張です
南部の唄の上映・VHS販売自粛 そして、今日までの影響
本家ディズニーは、全米黒人地位向上協会の抗議を重く受けたようで、1986年~劇場再公開は無し
日本でのVHS販売は、私が南部の唄のVHSを持っていたころ1992年?(東京ディズニーでスプラッシュマウンテンが出来た年ですね)にはまだありました
しかし、その年付近以降は販売はされておらず、DVDも商品化されていません
作品の上映・販売が全く行われないにもかかわらず、舞浜駅の発着メロディーは、劇中歌の「ジッパ・ディー・ドゥー・ダー」は使い続けられ、CMやバラエティー番組にも使用し続けられ、アトラクションもファストパスGET必須の大人気
この異様な状況が30年近く続いてきたのでした
そして、とうとう米ディズニーが、スプラッシュマウンテンに対して、大なたを振るったのでした
日本のスプラッシュマウンテンはどうなってしまうのか?個人的見解
個人的見解です。オリエンタルランドは協議中で、何も答えが出ていない状況です
ヨシコフの見解ですが、スプラッシュマウンテンの設定は、すぐにではなくても、いずれは変わってしまうと思います
凄くすごく悲しい事ですが、感情抜きに根拠を書きます
根拠①夢の世界は、みんなに平等だから
作品を観た黒人の方が傷つくからというのはもちろんですが、上映・販売停止され何十年も経ち、知っている人が少ない状況だからです
ヨシコフは、たまたま自宅に「南部の唄」があったので、記憶でどんなに心温まる作品か分かりますが、VHSが販売停止になってから生まれた人たちは、絶対に観れない状況です
これではフェアじゃないです
根拠②未来の人間に託したいから
今回のニュースでショックを受けているヨシコフは30代
さらに30年経てば、ヨシコフはジェットコースターに乗れないどころか、足腰が弱くなって、すっかりディズニーランドとは疎遠になっているかもしれません
一方で、30年経てば、ヨシコフの子供は30才で、自分の子供とディズニーランドへ遊びに行ったり、ディズニー作品のすばらしさを語り継いでいるかもしれません
語り継ぐことを出来ないアニメ作品よりも、未来に語り継げる作品に託したいと思うのは、普通の事ではないでしょうか
ヨシコフが孫に、こんなことを言っていたとしたら…
昔は「南部の唄」って映画があって、もう絶対に観れないけど、それはもうすばらしくて、好きだったのにアトラクション変更しやがって、うんぬんかんぬん
こうなってくるとウザイ。変化を拒んだ古い体質の会社みたいですね
根拠③ウォルトディズニーの理念から外れているから
ディズニーランドが完成することはない。世の中に想像力がある限り進化し続けるだろう
ウォルト・ディズニー
- 「南部の唄」を知る人がいなくなってきた、高齢化してきた
- 「南部の唄」を観ることで傷つく人がいる
この二点から、スプラッシュマウンテンの限界を見ているのなら、そしてディズニー社がウォルトディズニーのマインドを引き継いでいるとしたら、次世代にむけて進化しようと思うのではないでしょうか
終わった理由は差別ではないですが、昔「キャプテンEO」という、マイケルジャクソン主演の人気アトラクションがありましたが、容赦なくテコ入れされ終了されましたね
他にも、惜しまれつつ終了した乗り物はわんさかあります
根拠④2020年現在も、黒人差別問題は続いている
コロナ禍で起こった白人男性による黒人男性殺害事件が記憶に新しく、その件が、一層差別問題を神経質なものにした印象です
根拠⑤うさぎどん(ブレア・ラビット)がズートピアのジュディに似ている
社内に競合キャラがいるんじゃあ…
今や、ジュディの圧勝です
それでも、日本のスプラッシュマウンテンは暫くは続けてほしい!
悲しい現実と根拠を書いてきましたが、ヨシコフ的には、スプラッシュマウンテンはまだまだ現役でいてほしいと思っています
今後変更されることはあっても、まだ粘ってほしいです
なぜなら「南部の唄」には希望が見えるから
「ジッパ・ディー・ドゥー・ダー」を無かった事にできない
作品は流せなくても、曲は至る所で流れている
そのたびに、「この曲は何の曲?」と疑問にもつようになり、「南部の唄」に行きつかざるを得ません
この曲は、黒人を傷つける曲だから歌唱禁止にできるのでしょうか?
これこそ、黒人がやってほしくなかった迫害をしてしまっています
名曲・名作である限り、表に出さざるを得ないのです
「南部の唄」こそ実写リメイクして欲しい
ディズニーランドが完成することはない。世の中に想像力がある限り進化し続けるだろう
ウォルト・ディズニー
であれば、「南部の唄」を進化できないのでしょうか
きちんと黒人差別問題と向き合って、脚本を書き直すことはできませんか?
歴史上差別描写をしっかり描きつつ、リーマスおじさんやトビーにもきちんと差別したことを謝って、結果として黒人と白人の暖かい交流に行き着く物語になれば、フェアで平和的な作品につながるのではなないでしょうか
問題があったから作品自体無かったことにするよりは、失敗をやり直せる世の中になってほしいです
うさぎどんときつねどんのアニメーションの世界の維持
酷い差別があったとはいえ、昔のアメリカ南部の農場の独特な雰囲気をベースにした、動物たちの映像はノスタルジーを感じます
現代のクリエイター顔負けの、実写とアニメの融合とクオリティ、アップテンポの陽気な歌
あれも無かったことになるんでしょうか?
であれば、時代劇全般作れなくなってしまいます
インディアン・江戸時代・カウボーイ・海賊
作品上では脚色されていても、実際の歴史では残酷な出来事が記されています
最後:悲しいかな 上がらない南部の唄の知名度
コロ先生や家族ラインで熱く語ってしまいました
スプラッシュマウンテンが無くなってしまうかもしれない事や南部の唄が評価されない事を話しました
フーーーーーーーーーーーン
そんなに好きだと思わなかった
あらすじだけ聞いても、まったく何の話(知名度的に)か分からない
みなさん年齢があがってくると、遊園地に興味がなくなってくるようでw
twitterでも、スプラッシュマウンテンの雰囲気が変わってしまうことに抵抗を感じる声は多いものの、南部の唄が上映・販売禁止になっている事への疑問の声は、少ないように見えました
もともとの知名度が低すぎて、そこまで擁護できない印象です
多くのミドル世代以上がこういう反応なら、下の世代はもっとだと思うので、今後「?」設定のスプラッシュマウンテンの設定変更は避けられなくなってくると思います
せめて、「南部の唄」という素晴らしい作品があったこと、これは忘れ去られてほしくないです
ひとまずどうか、旧作品には冒頭に中テロップ対応しつつ、今後、歴史背景を考慮した実写リメイクを検討をお願いします!
補足:世間に当たられ続けた不遇の作品「南部の唄」
リーマスおじさん役の黒人の方は、「ジッパ・ディー・ドゥー・ダー」でアカデミー歌曲賞を取るものの、舞台挨拶では、黒人という理由で参加させてもらえなかったとのことです
白人の少年と黒人のおじいさんの心温まるストーリーなのに、周りの大人は腹黒い
こういう逸話も伝わって、全米黒人地位向上協会から恨みを買うことになっているんじゃないでしょうか
こういうことを聞くと、中途半端な気持ちで描いた平和の話なんて作るんじゃない!と思ってしまうのも分かります
VHS南部の唄の怖い表紙
表紙を観てください
リーマスおじさんと、二人の白人の子供が歩いています
あらすじには、もう一人一緒にいる子供がいましたが、表紙にはいません
黒人の少年トビーがいないのです
トビーがいないのは黒人だからでしょうか?
トビーがいない理由によっては偽善と言わざるを得ません
監督・アニメーターは、純粋な平和の気持ちを込めたかもしれません
しかし、公開するにあたって、意地悪をした大人によって歪められています
こういうことをする大人がいるせいで、南部の唄が現在も認められていないように思えるのです
歴史を扱うお話は、重大な責任が伴いますね
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